夜空のドラゴンズ

中日ドラゴンズ応援ブログです。

老舗球団 中日ドラゴンズの活躍に私的な意見など書いていきたいと思います。

私的なドラゴンズ日本シリーズ戦記 2004年

50年が経過していた。初めて日本一に輝いて、半世紀がすぎていた。広島もヤクルトも横浜も経験しているのにドラゴンズはここ一番で勝利を掴めていない。決して弱くはないのに。


山田監督解任後、誰が監督を・・・元巨人の桑田?面白そうだ。星野さんの復帰か?そんなことを考えていたが、予想外の落合博満監督就任。ええ!落合が帰ってくるの?選手時代それなりにはやってくれたが、あの偏屈でワガママな人を監督にするのか。そんな印象があった。


補強は無く10%の底上げで十分優勝を狙えると落合さんは言った。本当かよ。疑っていたが、しかし中日ドラゴンズは史上最強の面子が揃いつつあった。捕手にFAの谷繁、二遊間に荒木、井端、外野手へ転向した福留は首位打者に本塁打30本を打てる力があった。陰りは見え始めたが野手のリーダー立浪。投手陣はエースに川上、ベテラン山本昌、岩瀬を抑えに回した。センターラインができつつあった。


この年、プロ野球自体が球団縮小問題で揺れた。ストライキなどあり来年からは交流戦も予定されるなど。長年、胡坐をかいてきたプロの球団が実は赤字で火の車だったという事実があからさまになってきた。サッカーに人気を奪われ、スポーツも多種多様化。まだ大きな組織ではあるが、生きる道を考えさせられる時が来ていた。


シーズンは予想以上に中日は順調に走った。決して圧倒的ではないが落合野球は決して手を抜いていないように見えた。勝つにしても負けにしても、最後まであきらめない姿勢が感じ取れていた。首位を守って5年ぶりのリーグ制覇。落合監督の言ったこと本当だったな。この戦力で十分優勝できた。それに思いのほか落合監督は野球に対して、純粋で真面目な人だった。なにやら棚から牡丹餅のような優勝。それとなく日本一にもなるのではないか。半分冗談、半分本気で日本シリーズを見ることとなった。


気になることがあった。福留が怪我でシーズンをリタイヤしている。またしても主力打者が欠けている。いつもの負の連鎖を引きずっている。しかし終盤は福留なしで優勝までたどり着いた。キューバの至宝、リナレスの短期決戦での集中力は何気に頼りになるとも言われていた。


相手はまたしても西武。2位で終わったが当年から開始されたパリーグプレーオフを勝ち抜き出場してきた。これは負けられない。本当ならダイエーなのに2位の西武には負けられない。このころの西武はあの最強西武のころとはまた違う。どちらかというと粗削りなチーム。若い中島は失策が多く。シリーズ中もエラーをした。有望とはいえこんな選手がでているなら勝てるな。と思った。嫌なのは和田だった。あまり知らなかったが、嫌なところで打つ。パワーのカブレラ。そして若き松坂。


第1戦。これがまたいつものシリーズと同じく完敗スタート。投手戦ではあったが川上は痛いところで和田に一発をくらう。いつもと違うということは2戦目に起こった。相手は早くも松坂。予想外の打ち合いになりビハインドゲームになるが立浪が松坂から同点弾。期待の若手をミスタードラゴンズが撃ち崩す。これは一気に流れが来たと思った。


舞台は西武ドームへ。3戦目、凄まじい打撃戦となった。谷繁の逆転満塁弾。うおおお!これには久々に飛び上がった!この舞台で打つか。よくやってくれた谷繁!これはいつも固まって打てなかったシリーズの中日ではない。勝てる。がしかし、西武もカブレラの満塁弾で再逆転。ええええ!カウンターをカウンターで返された。この試合負けたが、その後も追い上げる姿勢にまだまだだという気持ちになれた。しかし西武。捕手に細川、野田を擁しており、この2人は非常に不気味な輝きを放っていた。


第4戦。負ければ王手をかけられる。ここでいつも秋口からでてくる山井が好投。打線の援護もあり2勝2敗に。リナレスも短期決戦での強さを発揮していた。そして5戦目。川上2度目の登板で好投。立浪のダメ押し本塁打。完勝だった。


王手!新聞に大きく王手の文字が一面を覆う。なんという良い響き。飢えていたこのあと一歩で、土俵際まで追い詰めて、相手にどうだ!と・・・あと一息で夢にまで見た日本一をドラゴンズが手にする。50年ぶりという文句も歴史を感じていいね。ついにきたんだな。満足していた。まだ終わっていないのに・・・・


そう、まだ終わってなかった。台風が来ており、1日順延。徐々に流れが変わっていく。またこの時期、週刊誌に主力選手のスキャンダラスな記事も載っていた。何か変だ。


第6戦。松坂と再戦。リードしたのは中日。山本昌も好投を続けたが・・・和田にも痛いところで本塁打が出た。敗れてタイに。なぜだろうか、ここでドラゴンズの戦意が喪失していったような気がする。台風が流れを変えたような気がした。いやもっと他にあったのか?第7戦はあっさり負けてしまう。


誰もが勝ったと思った。何かがひっくり返った。負ける要素なんて無かった。50年という呪縛はそう簡単に跳ねのけられないのか。あああ・・・でも・・・勝てたのに・・その時が来ていたのに。

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